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9月22日の第91回『法楽寺わらく読書会』は、
いつも終了後の懇親会でお世話になっている、珈琲専科りあんにて行いました。
『修身教授録』の第2部・第14講『人生の深さ』を、5名で輪読し、感想を共有しました。
人間の偉さは、結局この人生を、どれほど深く生きるかということだと言ってもいいわけです。
人生を深く生きるということは、苦しみは、必ずしも自分一人だけのものではなくて、多くの人々が、ひとしく悩み苦しみつつあるのだ、ということが分かるようになることではないかと思うのです。
そこで今かような立場から、諸君らの現在の生活を深めるというのは、まず相手の気持ちを察することから始めたらと思うのです。
すなわちそれは、常に人々の心持ちを考えて、人々に対する察しを忘れぬということです。
真に偉大な人というものは、つねに自分もまた人生の苦悩の大海の裡に浮沈している、凡夫人の一人にすぎないという自覚に立っているのです。
その人の語る言葉は、苦しんでいる人々に対して、それらの人々の心の慰めとなり、その導きの光となるのです。
かくして、あらゆる人間の苦しみと悩みとに同感し得る人は、それらの人々にとっては、その苦しみと悩みとを救う力となるわけです。
このような森信三先生の言葉に対して、
「様々なことで忙しく、相手を思いやる余裕がなくなっている。じっくりと悩みごとを書き出してみるなど、自分と向き合う工夫をしている。やはり、自らに軸を通すことが大切だと思う。」
「過去の苦しみを忘れないこと、相手に共感することで、自分の軸足が大きくなり、人を救うこともできる。昨今のウクライナ戦争、統一教会問題も、自分ごととして捉えることが必要だ。」
「最も悩みの多い16・7才の青少年に、人生の深さを伝えることは大切だが、人の痛みにのみ心を奪われてしまうのも良くないと思う。しっかりと自分に向き合うことも重要だ。」
「自分自身が70歳近くなった今、これからの人生をいかに生きるべきかについて深く考えさせられた。まさに、親鸞聖人のような波乱万丈の人生に学びたいと思う」
などといった意見が出されていました。
続いて、全一学ノート[章『人倫的自覚と実践』のうち、「人倫的自覚と実現」「善・悪の問題」のミニ輪読会を行いました。
真の人倫的自覚の発現は、われわれ人間存在が内外の矛盾によって、自己の存在の根底に一大衝撃を受け、動揺に曝されることによって、はじめて可能だとも言えるであろう。
人間の欲望ないし欲念と当為(なすべきこと)とを現実的に統一せんがためには、結局、行動的実践による外ないわけである。
現実の我われにとって可能なことは、結局は「善への希求」がどこまでその人の生涯をつらぬくか否かの問題だといえるであろう。
文面作成:高嶋宣雄
次回開催は、以下の通りです。
日時:令和4年10月21日(金)13:00〜15:00
場所:未定
内容:「修身教授録」第2部・第14講「一時一事」輪読会
「森信三先生全一学ノート(新版)」ミニ輪読会
参加費:1.000円
《ご予約・お問合せ》
メール:mai@wadentou.com
пF090−4975−4000(後藤)
※ただし、コロナ感染状況に応じて、オンライン開催します。
#森信三先生の終身教授録を輪読する法楽寺わらく読書会